2025.02.14地域の工務店が建てる木造建築物 農LAND BEER
株式会社ミノワ

有機農業を志して白川町へ移住

左)株式会社ミノワ 代表取締役 藤井拓巳さん 右)株式会社Sunpo 代表取締役 児嶋健さん
美しい川と豊かな森林が育む特産品や東濃ひのき、白川茶で知られる白川町。この地へ約12年前に移住してきて就農し、このたびブルワリー(ビール醸造所)「農L A N D B E E R」を立ち上げた児嶋健さん。児嶋さんは岐阜市に生まれ、愛知県で10年間会社員として働いた経験を持つ。仕事で海外へ出向く機会もあり、そんな中で地域格差や環境問題を解決したいという意識を募らせてきた。「もともとアウトドア好きで、農村部が好きでした。農業に興味を持っていろんな生産者を訪ねる中、白川町に有機農家がいることを知り、まずはこの地で有機農業をやってみようと思いました」と振り返る。
同じ地域の工務店で建てた地元に根差したブルワリー


児嶋さんは農業や自然に関わる体験プログラムも行う中、新たに目をつけたのがクラフトビールづくりだ。クラウドファンディングで資金を集め、設備を整えていき、2 0 2 3年に工場を造るに至る。その建設を請け負ったのが、同じく白川町で木の家づくりに定評がある工務店、ミノワだった。代表の藤井拓巳さんとは引っ越してすぐに知り合い、地元活性化を語り合う仲。建築だけでなく、さまざまな取り組みにもアドバイスをもらっていた。工場は鉄骨で作るほうが予算を抑えられるが、設計の自由度が高い木造を選んだ。「コストを抑えながらどうつくっていくかなど、藤井会長にもたくさんアドバイスをもらいました」と児嶋さん。
豊かな自然環境が魅力の白川町で地域活性につなげるクラフトビールづくり

仕込みに使う水は、源流に近いところで取水された超軟水で、口当たりが良くビールもおいしくできるというわけ。ビールは6種類の定番に加え、季節物や限定物が3〜4種ずつ。購入した人たちからの評価は上々。「おいしさはもちろん、農のブランド性やストーリー性に共感してくれるようです。これを機会に白川町という地域にももっと注目を集めたいですね。手づくりビール体験の他、将来はビールと宿泊をセットにしたゲストハウスをやってみたい」と、展望を語ってくれた。
農LAND BEER
DATA 〒509-1431 岐阜県加茂郡白川町黒川2412

施工:株式会社ミノワ
