ぎふの木の住まい協議会 事務局

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2024.12.31健康で快適に過ごすために必要な住まいの性能 断熱リノベーション

室内に居て感じる、耐えがたい冬の寒さや夏の暑さも断熱性能を上げるリノベーションをすることで改善できます。築年数の経った古屋がなぜ寒いのか、断熱性能が向上するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

1年中快適な住空間は 断熱性能の向上で実現させる

昔ながらの日本家屋は、高温多湿の日本の風土に合わせて夏に快適に過ごせることを前提に建てられてきました。障子や襖を多用して間仕切りを自由に調整できる風通しのいい間 取りや、夏の高い日差しを遮るために長くした軒などがその特徴です。しかし冬になると隙間風が入ったり、夏とは逆に冬の低い日差しを取り込むことができず 暗い部屋ができてしまったりと、寒さを強いられることが多い家に。夏の気温がどんどん上昇している昨今では、夏場に風通しの良さだけで過ごすことが難しくなっており、1年を通して快適な空間が求められています。1番の解決方法は家の断熱性能を上げること。既存の住宅を生かしながら、壁や天井、床など外気に触れる部分にしっかりと断熱材を施し、室内に外の寒さが伝わらないよう、また 室内の熱を外に逃がさない施工をしましょう。

なぜ“昔の家“は寒かった?

風呂場の問題

昔は家全体の断熱性能が低い中で、風呂場は床や壁をタイルで貼った在来工法で造られていたので、冬場は足元がヒヤッとしたり、寒さを感じやすい空間になっていた。

隙間風の問題

夏に室内に風を通すことを考えて、 障子や襖などで間仕切られた部分や、経年変化によって歪みでできた隙間から風が入ってきてしまい、冬の寒さを助長させていた。

断熱材の問題

築年数の経った家は断熱性能が低かったり、そもそも断熱材自体が施されていないことも。それによって、冬になると壁・床が冷たくなり家の中に居ても底冷えに悩まされてきた。

リノベーションが断熱性能向上のベストタイミング

断熱改修は壁・床・天井の中に断熱材を施工しなければならない。間取り変更を含むリノベーションの場合、壁などを取り払い骨組みだけのスケルトン状態にするので、このタイミングに合わせて行うことで、断熱改修だけを行うより費用を抑えることができる。

POINT 窓の性能向上も大切

断熱材を施工するとともに窓の性能を向上させることも、断熱性能向上には必要不可欠。窓からは家の中で温めたり冷やしたりした熱がどんどん逃げていく。そのため、熱を伝えにくい複層ガラスや樹脂サッシを備えた断熱性の高い製品を選ぶことが大切だ。高性能なサッシへの取り替えだけでなく、取り替えより比較的施工が容易な内窓を設ける方法でも効果を得られる。

断熱性能の向上によって得られるメリット

健康

家中の断熱性能が向上すると室内の温度が一定に保たれるので、温度差によって起こるヒートショックや寒さによる疾患などが起こりにくくなる。

省エネ

冬の寒さ、夏の暑さが断熱性能向上によって緩和できれば、冷暖房機器の使用頻度が下がり光熱費の節約、化石燃料の使用やCO2排出量の削減につながる。

快適性の向上

1年を通して快適な室温が保たれるのはもちろんのこと、断熱性能(※気密性)が上がると結露が起こりにくくなり、カビや腐朽の発生やカビをエサとするダニの繁殖を抑えることにつながり、快適な住環境を保つことができる。※気密性……室内外の空気が出入りする無駄な 隙間が少ない性質。断熱性能を高めるためには気密性を上げることが重要。

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