2024.12.31細部にわたり自然素材の良さを堪能。庭の景観から始まった扇形の家 岐阜県高山市 A様邸
かさはらの家(笠原木材 株式会社)
高山の雄大な自然になじみながらも、羽を広げたような意匠性の高い外観が目を引くA様邸。敷地内に立つクルミの大木を室内のどこからでも眺められるよう、L D Kを中心に左右の部屋に角度を付け、視線を1カ所に集めた扇形の建物だ。この個性的な家を造ったのは、高山市を拠点とする笠原木材。同社のモデルハウスを見学したA様は、杉の床の柔らかい足触りや、家中に木を使った冬でも暖かみのある木の住まいが気に入り、同社での家づくりを即決した。
ゆとりを持たせたプランニングで心地よい住まい
「ゆったりと暮らせる住まい」を理想としたご夫婦は、心も体の動きも、全てにゆとりを持てるプランを希望。庭に面したリビングの大きな窓は、視界を遮らないF I X窓を採用。庭の景色を存分に楽しめるだけでなく、東に面しているので朝日がたっぷり入り、朝の気持ち良さは格別だ。リビング内には床とフラットな畳敷きがあるので、ごろんと横になるのも気持ちがいい。水回りはキッチンから横へ、家事スペース・洗面・ランドリールームと続く間取りだが、通路の幅が広いので、バックヤードという言葉がぴったり。「家事をするときに伸び伸びと動けるのがとても楽。料理や洗濯が横に動くだけなのも助かります」と、ここでも同社の提案が光っている。
木材は高山市産99%(県産材100%)使用のこだわり
とことん自然素材にこだわった家づくりは、構造材は高山市産の木材が99%(県産材1 0 0%)。天井が高いリビングには、マツの太い丸太梁が架かり、天井や壁には杉板が張られて木の清々しさにあふれている。壁の一部には、「この家の雰囲気に合う塗り壁にしてほしい」との要望から、土と藁を混ぜ込んだ土壁を、左官職人の技術で丁寧に仕上げていった。木と塗り壁のみで仕上げた内装は、目にも体にも優しい。
大切なものを住まいと暮らしに生かす
ご夫婦が大切に持たれていた良いものを、家づくりの中で生かしたことも〝ひと手間を楽しむ暮らし〞をコンセプトにする同社ならではの心遣い。珍しい図柄のタイルやアンティークガラスを壁や戸に取り入れ、また、器などのコレクションを飾れるように、廊下の壁のデッドスペースを利用してギャラリーをつくった。A様の思いを柔軟な発想で造り上げた住まいには、暮らしの余裕を感じさせる空気が流れている。
施工:笠原木材株式会社